2016-7-11
前回発生したコンポーネントとフットプリントのエラーの処理から取り掛かった。
様々な方法で復元を試みたが出来なかったので、単純に作り直した。
その結果が下図である。
作り直すついでに1ピンコネクタの数を調節した。
次に、フィルタを追加したことによる基板サイズやそれぞれの素子の配置の問題の改善を試みた。とりあえず、主要な素子の配置を決める目的のため、1ピンコネクタは考えていない。
案1
フィルタ用に基板を縦長にし、フィルタと出力をAD9851の1ピン側に配置することで出力線4本分のスペースを確保する作戦だったが、実際に配線しようとしたときにIOUT,IOUTBとVINN,VINPが衝突してしまい廃案になった。
案2
案1から、水晶発振器とフィルタの位置関係を逆にした。このことで信号線同士が衝突することを防ぐことが出来、信号線は配線することが出来た。
上図にはすでに組み込んであるが、
1ピンコネクタ導入に先んじて、フィルタの使用する面積と位置を決める必要があった。
そのため、フィルタをなるべく省範囲で配置すること試みた。結果が下図である。
横長では配線できない信号線が出てきたので、縦向きにし、少々手を加えたものをテストの意味を込めてfreerouteした。
おおむね良好だが、コンデンサのフットプリントのことを考えると配線をこの細さにする必要があった。しかし、現在所有しているプリント基板作製機の精度を考えるとこの細さの配線のプリントは不可能に思える。如何に改善するか検討したい。
2016-7-4
基板のプリント結果
今回製作した基板(以下、試作2)をプリントした結果を以下に示す。
なお、テストのため使用済み基板を使用したのでデータにあるもの以外の配線がある。
ドリル径
使用可能なドリルのサイズとしては
- 0.7mm
- 1mm
- 2mm
である。
現在製作中の基板では、papilioシールド用のドリルサイズは0.7mmを使用しているが、長いピンソケットは他より多少太いため入らなかった。
そこで、ドリル径は1mmとすることにした。
また、BNCの足の穴が開いていないため、ドリル径を2mmに指定することにした。
裏面グラウンド
試作2では、裏面のベタグラウンドはそのままであったが、実用を考えると、グラウンドとのショートを防ぐためにピン周りをグラウンドから離す必要がある。
そこで、下図のように、赤く塗りつぶした部分を削るパターンをKicadで作成することにした。
出力端
現在の出力端はそのままBNCコネクタに繋げているが、フィルタを組み込むことにした。
下図のIout(21pin)の出力をローパスフィルタとなっているところにフィルタを組み込み、その出力をコンパレータの非反転入力VINP(16pin)に返す。またIOUTB(20pin)の出力をコンパレータの反転入力(15pin)に返す。
コンパレータからの出力はVOUTN(13pin),VOUTP(14pin)から出力される。
これらのことを踏まえて改善を行った。
下図の右側が追加したフィルタ部である。
コイルのフットプリントが不明であったのでとりあえずSMDパッケージのものを割り当てた。
改善点
配置をして見たが、明らかに(基板サイズ、papillioシールドヘッダーの位置などの)根本的な部分からの改良が必要であるので全てやり直しを試みている。
このままの配置と大きさでは出力信号線が4本となったことからほぼ全て(アナログ信号線と電源線計20本程度)がジャンパ配線とならざるを得ないため、ジャンパ線が重なりすぎないように位置関係を改善している。
不具合により、コンポーネントが読み込みは出来るが表示されない事態が発生したため、原因も調査中である。
2016-6-27
前回に引き続き、pcbnewによる配線を行った。
目標としては、ジャンパー線を想定した配線と、それぞれのモジュールの位置関係の検討である。
配線の案としては、ベタグラウンドとしてある表面側から、ジャンパ配線を行うことである。
このことから、ジャンパー配線用コネクタの配置は必要でなくなったので、配線の自由度があがった。
これらのことを考慮し、作成したpcbnewデータが以下の画像である。
変更点としては、1pinコネクタの数を6つ増やした。それらは主に電源用であるが一部デジタル信号線にも使用している。コネクタの位置を他の素子とかぶらないように真横に配置、とあったが、位置的に難しい部分があったので全てに適用は出来ていない。
また、BNCの位置がpapilioと重なってしまう可能性があったので、位置を少し離した。
以上の点を改善した
ガーバーデータのリンクを以下に置いた。
https://drive.google.com/open?id=0BwkY5ZVFeKrwR3hJR2ZzMXBLYUk
以下、自動配線について。
また、これと平行して自動配線の環境を整えた。
前回の報告では、エラーのため実行できないとあったが、以下の改善により実行できた。
- netbeansの再ダウンロード。java SEやC/C++が必要とあったので一応リンク右の”すべて”をダウンロード https://netbeans.org/downloads/
- freerouteの公式ホームページから以下のリンクのファイルをダウンローhttps://github.com/nikropht/FreeRouting/archive/master.zip
- Javaのヘルプファイルを以下のリンクからふたつダウンロード http://sourceforge.jp/projects/sfnet_jamdaq/downloads/Jam/2.4.19/jh.jar/ Download jnlp-loader-1.0.6.jar : jnlp « j « Jar File Download
- "2.3"の手順でダウンロードしたものを解凍し、ひとつのファイルにまとめる
- netbeansを起動し、ライブラリに上のフォルダを追加する。
- Kicadを最新版にアップグレード
その後、前回のブログどおりの手順で行ったところ、正しくfreeroutingが実行された。
上がfreeroutingでの実行結果
下がそのデータをpcbnewに取り込んだ結果である。
何も設定をせず、アナログ信号線以外を全て削除してからの実行にもかかわらず、少し手直しが必要だが、手で配線を行うときとほぼ変わらない完成度であった。
手での作業よりも何十倍も早く、これからの設定次第では更なる完成度を期待できるので、作業効率の大幅アップを見込める。
少しの手直しであれば、活用して行こうと思う。
2016-6-17
重要な配線(高周波アナログ信号線)は手動で行い太くするため、配線幅の個別での変更方法を調べた。
デザインルールの設定>グローバルデザイン>カスタム配線幅
カスタム配線幅に配線幅を登録しておき、配線前または配線後に、右クリック>配線幅の選択から選ぶという手順で配線幅を個別に変更できた。
とりあえず信号線を0.9mm幅で配線を行った。
さらに、kiCADについて調べると、自動配線についての記事があった。
以前調べたときには、片面基板では使い物にならないとあったので触れていなかったが、コストの設定と、裏面配線部をコネクタによりジャンパ配線にすることで使用可能とあった。作成している基板では、重要な配線は少ないのでそこだけ手動で行い、あとは自動配線にすることとで作業効率アップに繋がると思い、導入を試みることにした。
導入に必要なソフトとしては
- 自動配線ツール:Freerouting.exe
- NetBeans 8.1
- Jave Development Kit 8 (JDK8)
である。
Freerouting.exeは実行のとき起動するだけで使用可能である。
NetBeansとJavaDevelopment Kitはインストールをする必要がある。
Freeroutingのダウンロード先
https://github.com/freerouting/freerouting/raw/master/binaries/FreeRouting.exe
NetBeansとJava Development Kitのダウンロード先
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html
手順としては
- pcbNew画面の右上にあるを選択
- 以下の画面が表示されるので「現在のボードを"Specctra DSN"ファイルへエクスポート」を選択し保存。
- Freerouting.exeを起動し、先ほどエクスポートしたDSNファイルを選択。
- 各種パラメータを設定を行い(主にコスト)、自動配線を実行する。
今回、手順2のときにエラーが生じて強制終了になってしまうため、コストなどの設定が出来なかったが、自動配線は行えた。その結果が以下である。
赤い線で繋がっているところはジャンパ線コネクタを追加していく予定であるが、
おおむね狙い通りの配線が行えた。
2016-6-6
以下の指示を参考に、パターンの改善を行う。
(1)(3)(4)の内容から、ピン間を通る配線とIOUT-BNC間の配線を邪魔する配線を削除し、その後、削除した配線に必要と思われるジャンパー線用コネクタを追加し配置した。
(2)については、グリッド数を合わせ形を同じくして等距離にしたつもりであったが、指示があったので配線しなおすことにした。その際、IOUT-BNC間の配線により、形が変わるので、それらが確定してから行うこととした。
また、
伝送路とは [6] ー PCB用伝送線路 | WiMAXページ
のページを参考に、マイクロストリップライン、高周波回路について学んだ。
基盤の厚みが0.5mmのときストリップライン幅が1mm程度であるとあるので、高周波信号線路は1mm程度の余裕を持って配線する必要がある。
今後について。
今回、ジャンパー線コネクタを増やしたことにより、これまでに基板サイズでは狭くなってきたと感じていたが、配線を太くする必要があるとなると、基板サイズを一回り大きくする必要があるようなので、その改善を行いたいと思う。
2016-5-29
今回作成した基板データをもとにプリントした第一試作品(以下、試作1と呼ぶ)を参考に設計の練り直しを行う。
まず、今回のプリントの大きな目的であった、設計図と実際の基板の関係性だが、左右反転(kicadの設計図は、プリント面を裏側から見たときの回路に相当)であることが判明した。そこで、シールド基板の特性上、papilioの挿し込みピンと表面実装素子以外をすべて反転し設計する必要があったので、配置しなおして配線を行った。その際、試作1で使用していたピンの位置では配線が行えなかったため、全てのデータピンと電源ピンの位置を変更した。
上図がその変更結果である。具体的には、電源ピンはwingB側上部であったものを、wingC外側上部に変更し、データピンは、AD9851のデータ入力ピンそれぞれの直近であるピンを使用することにした。
また、各素子のフットプリントを見直したところ、一昨年度の研究生から引き継いだデータは、ピン番号が間違っていたり(素子を上から見て11時の方向から反時計回りの順でない)、本来と反転している状態であったりしたので作成しなおした。
今後の課題としては、前回のブログに記述してあるようなAD9851搭載基板の設計である。
AD9851搭載基板の設計を行う。
条件としては、
ICの直下にバイパスコンデンサを接続すること。さらに、ユニバーサル基板の間隔に合わせて設計することである。
また、隣のピンに触れないためには配線幅は0.005インチほどの細さである必要がある。
大きさはなるべく以前使ったものと同様にして、必要に応じて0.1インチ単位で広げることも可能である。5-6,10-11,18-19,23-24間にバイパスコンデンサを入れることを考えると0.2インチほど広げる必要があると考え進める。
配線幅は、配線を行ってみてからなるべく太く調整することにした。
上記の条件を満たし、尚且つ、プリントが可能な基板の設計を進めていく。