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AD9851の動作試験を行った。
前回動作していた構成と同様にして行い、下図のような出力が得られた。
Arduinoによりコントロールを試みたが、出力は変わらなかった。
・出力(上がVINN出力、下はコンパレータ出力)
また、40mV程度と振幅が小さいため正しい出力ではなくノイズであると考えられる。
まず原因として考えられたのが、基準発振の形が正常な動作を確認したときと違うことである。以前の記事、maroon555.hatenablog.com
では、下図のようなコンパレータ出力が得られ、凹凸が上端下端にはなくきれいな発振であったが、
・以前測定したコンパレータ出力
今回の出力は下図のような出力となっていた。
・今回のコンパレータ出力(下)
確認のため、先行研究基板に自作のコンパレータ基板出力を入力し、Arduinoによりコントロールしたが動作しなかった。
・先行研究基板の出力(上)とコンパレータからの入力(下)
このことからも、基準発振が原因である可能性が高いと考えられる。
また、他の可能性を考えるためにAD9851の各ピン出力を調査した。
以前の記事で測定した正常な動作をしているときの先行研究基板のピン出力が下図である。
・以前の記事http://maroon555.hatenablog.com/entry/2017/05/08/170558での結果
・今回の基板での結果
二つを比較すると7,8,11,13-18,20,21ピンに違いがあることが分かる。特に発振出力であるはずの20,21ピンが5V電源のような出力であることが異常であると思い、電源との短絡を調査したが、短絡していなかった。
次に、回路を確認するために、共同研究者が回路を作成するときに参考にした回路図のピンと素子を一つ一つ確認した。
・回路図
・共同研究者作成回路
自作のものとの違いは、
1.AGNDとDGNDを接続していない
2.VOUTNとVOUTPが浮いている(何も配線していない)
であった。
1については、先行研究基板でAGNDとDGNDは接続されていない状態、接続した状態、両方で動作試験を行い正常な出力を得られたこと。
2については、自作基板でVOUTNとVOUTPに何も接続しない状態で試験をしたが動作しなかったこと。
以上のことから動作にはあまり関係ないと思われる。
以上、全てを踏まえた結果、やはり基準発振が原因の可能性があるため、次回は先行研究基板のコンパレータ出力を自作基板に入力し動作試験を行うこととする。
次に、今回構成したシステムのブロック図を示す。青が信号線、オレンジが電源線、黒がコントロール線である。
・現状のブロック図
また、今後追加する予定である要素を追加したブロック図は以下のようになる。
・今後のブロック図